本心で語れる場が、こんなにも気持ちいい——西日本・対話の一週間
- 7月11日
- 読了時間: 6分
更新日:7月12日

7月3日から一週間、アズワン鈴鹿コミュニティの小野雅司は、岡山から福岡県の4箇所へと西日本を巡り、対話の場を訪ね歩きました。
保育園の職員研修に始まり、福岡での対話会、自然食品店での社員研修、そして飯塚での対話会と、場所も相手も違う対話の場が、まるで連鎖するように続いていきました。
いろいろな場で対話が持たれるようになり、安心して何でも話せることが、こんなにも気持ちのよいことか。
互いのことを知り合うことで親しさが湧き、ぐっと距離が近づいたり、長年の思い込みに気づいて、その人も周囲の人もぐっと楽になったり——そんな一週間の記録です。
岡山:コミュニケーションが苦手、の奥にあるもの

7月4日は岡山の保育園で職員研修が行われました。
企画・実施を共にした市川恵梨子さん(NVC講師)が、当日の様子をこう振り返っています。
研修では「コミュニケーションが苦手です」という声が多く聞かれました。
でも話を聞いていくと、その意味は「思っていることを言葉にするのが苦手」ということでした。
私たちは教育の中で、長く「正解のある世界」を生きてきました。
思ったことを口にしても、「それは正しいか、間違っているか」で判断され続けます。
それを繰り返すうちに、「自分が何を思っているか」よりも「正解を言えるかどうか」がコミュニケーションの中心になってしまう。
「コミュニケーションが苦手」というのは、そうやって本当の気持ちを和らげるための、いわば予防線のようなものかもしれない——恵梨子さんはそう綴っています。
実際、当日の場では、正解も不正解もない、そもそも一人ひとりは違う世界を生きている、言葉の奥のその人の世界を知っていく等の対話の基本の考え方を共有し、対話していく中で、「コミュニケーションは苦手」どころか、次々と言葉があふれ出してきました。
しかも、みんな本当に楽しそうでした。
人は本来、自分を表現したい生き物だと思います。
そして、表現したものを誰かに見てもらい、聴いてもらい、分かち合いたいのだと思います。
子どもたちの「見て見て」「聞いて聞いて」というあの純粋な喜びは、本来誰もが持っているものなんだと、あらためて感じさせられる時間になりました。
福岡:問いを深める、二部構成の対話会
7月5日、福岡での対話会は、企画してくれた川端國文さんの声掛けで、午前(福岡市東区)・午後(古賀市)の二部構成で行われました。

第1部 自分を聴く
午前は「自分を聴く——なぜ人の話を聞けなくなるのか、その時の自分を聴いてみよう」というテーマで、14名が参加しました。
研鑽会でつい「うるさい」と本音を漏らしたら、意外にも拍手が起きたという話。
会議で誰かの話を聞きながら、「その話はもう何度も聞いた」と雑念を持って聞いている自分に気づいた話。
講師の話に自分への当てつけを感じたとき、実は自分の側に批判の棘があったと気づいた話。
気の合う人とだけ穏やかに過ごしたいと思っていたけれど、それは自分の尺度で人を決めつけているだけではないか、という問い。
一つひとつのエピソードが、「聴く」という行為の奥にある自分自身のあり方を、静かに照らし出していました。
第2部 希望と期待
午後は「希望と期待——人と一緒に何かを進めるとき、こんなはずじゃなかったと思うのはなぜか」をテーマに、11名が参加しました。
天候のせいで収穫が期待通りにならなくても自然を責めないのに、人が相手だとつい責めたくなるのはなぜか。
事業の規模や協力者の数が期待通りにいかず落ち込んでしまうけれど、期待とは結局、自分にとって都合のいい数量化できるもののことかもしれない。
長年付き合ってきた相手と別れることになり、自分の期待が相手を縛っていたことに気づいた話。
期待の反対は裏切りで、希望の反対は絶望だと言われます。
どん底に落ちても、粘り強く耐えていれば必ず希望の光が差してくる——そんな声もありました。
第1部・第2部とも、それぞれ約3時間、密度の濃い探究の時間になりました。
お客様は誰もおらず、みんなが自分の言葉で語り、互いに聴き合うひとときでした。
第2部のあとは、時間の許すメンバーで飲食を共にしながら、さらに交流を深めました。
自然食品の会社での二日間
7月6日から7日は、ある自然食品の会社での社員研修が行われました。

役員による対話、販売部門のスタッフとの対話、二回にわたる全体研修と、複数の層で同時に「人を聴く」場が動いた二日間になりました。
ある新入社員は「こんな会社、他にないと思う」と、社長や先輩たちと同列で話せることへの驚きと喜びを語りました。
あるスタッフは、上下はないと思っていたけど、実は自分が「上司として」という意識に縛られていたことに気づき、逆に上下を作っていたと自覚。
別のスタッフは、実は抱えてきた不満を初めて口にし、そのテーマについて皆の思いを知ることができ、「自分の気持を聴いてもらえた」という満足感を得ることができたようです。
また別のスタッフは、これまで社会に適合するために自分の感覚を抑えてきたことに気づき、涙を見せる場面もありました。
長年、頑張り続けてきた社長も、自分自身の中にあった「男はこうあるべき」という美学に気づき、周囲の心配の声を初めて正面から受け止めることができるようになっていく——そんな大きな変容が起きた訪問でもありました。
飯塚:本心で語れる仲間が続いていく

7月8日は飯塚市での対話会が開かれました。
主催してくれた小鶴厚子さんから、こんな言葉が届きました。
「対話会、よかったですね!近々、昨日の参加女子4人で集まって振り返りの会をします。本心で語れる仲間の会が続いていくのが嬉しいです」
対話は、その場限りで終わるものではなく、こうして次の場を生み、関係を育てていきます。それを実感させてくれる報告でした。
一週間を振り返って
利便性、合理性、効率が優位になった社会の中で、
「早く」「結論は?」「答えは?」「それで何が言いたいの?」
という言葉に急かされ、人の心は少しずつ置き去りになってきます。
だからこそ、もう一度コミュニケーションをとらえ直したいし、対話の価値や有用性を伝えていきたい。
対話は、思ったことを出し、聴き合い、違いを超えて、理解し合うこと。
それが人と人とがつながり、出会うことになるのだということを、これからも分かち合っていきたいと思います。
この一週間、場所も相手も違うのに、そこで起きていたことは、根っこのところで同じでした。
「正解」を探すのをやめて、ただ自分の感じていることを話してみる。
それだけで、人はこんなにも軽やかに、豊かに語り出します。対話するって、楽しい、嬉しい。
人との出会いが喜びになる。
そんなことを、あらためて実感させてくれた一週間でした。 ❤最幸の自分を探究する旅 アズワンクエスト 9月18日~23日 ❤アズワン鈴鹿コミュニティを体験してみませんか? Open Day(毎月1回開催) Open Day




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